中村 誠

中村誠 プロフィール
中村誠・なかむらまこと(1926-)

盛岡市生まれ。盛岡商業、東京美術学校(現芸大卒)。 1949年資生堂宣伝部入社後、宣伝部制作室長などを歴任。 1987年資生堂顧問。 1953年から現在までに、国内外を問わず数多くの賞を受賞。 ルーブル装飾美術館招待展で福田繁雄氏との二人展「モナリザ百微笑展」(ジャポン・ジョコンダ展)、 世界のポスター10人展、日本の12人のポスター展(パリ)などに出展。 主な著書、作品集に「中村誠の仕事」(講談社)、「江戸小紋と北斎」、 「モナリザ百微笑」(ウナック・トウキョウ)等。 作品はパリ・ルーブル装飾美術館、ニューヨーク近代美術館、 東京国立近代美術館ほか世界中の美術館に収蔵されており、 平成12年プラザおでってオープンとともに代表作品約200点を盛岡市に寄贈、 プラザおでってに収蔵されている。

1973年ワルシャワ世界ポスター展金賞受賞作品
1973年
ワルシャワ世界ポスター展
金賞受賞作品
中村誠は資生堂の顔をつくりつづけてきた、日本を代表するデザイナーの一人です。 たとえ中村の名前を知らない人でも、その鮮烈で美しいポスターはきっと目にしたことがあるはずです。 資生堂は日本の数ある企業の中でもきわめて文化性の高い企業であり、 高い経営理念による一貫したデザインポリシーにより、そのイメージを形成してきました。 そのビジュアル・アイデンティティの最も大きな力となり中心となってきたのが、 中村の日本の伝統美人画や浮世絵を伝承しながら、 現代的に息づく輝く感性として完成した写真による現代美人画、 つまり山口小夜子を中心にした数々の資生堂ポスターです。
これらのポスターが日本はもちろん、世界でも高い評価を受けているのは周知のことですが、 その完成度の華やかさの陰に、これらのポスターが印刷を通して作品になるということを熟知している、 中村がその造詣の深い印刷技術の冒険を一作ごとに試みていることを忘れてはならないでしょう。 そしてそれが中村の個のデザインの追及として見事に結実したのが、福田繁雄との共作「モナリザ百微笑」 や北斎の浮世絵を現代的魅力に富む中村北斎にしてみせた作品などです。
女性像づくりのデザイナーとしてだけではなく、これからも知性と感性と技術を駆使した、 新しいデザインの創造が期待される大きな存在です。




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